―天川の神々―
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 国道309号線で大阪府と奈良県の県境、 水越峠のトンネルを抜け、御所市の一言主神社の近く、名柄交差点を通り、 国道24号線との交差点・室から下市町へ向かう。吉野川に架かる千石橋を南へ渡り、 善城を過ぎ、広橋トンネルを抜けてしばらく行くと、左手に丹生川上神社下社が見えてくる。 さらに309号線を南下し、桂原八幡神社を過ぎて新笠木トンネル、新川合トンネルを抜けたところが 天川村川合の交差点となる。ここから309号線と分かれて右へ、県道53号をさらに天ノ川の流れに沿って 4キロほど下がると「八坂神社」、「天河神社」がある。さらに4キロばかり行くと「伊波多神社」がある。 八坂神社と伊波多神社は天ノ川の右岸、つまり県道沿いの左手にあるが、 天河神社は橋を渡った対岸に鎮座している。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― |
式内社 伊波多神社 いわた
祭 神:祭神不詳
鎮座地:奈良県吉野郡天川村和田
本殿の背後の崖下は清流・天ノ川 | 鬱蒼とした森の中に佇む伊波多神社本殿 | 境内の真下は青く淀んだ淵 |
和田集落の南東部、天ノ川の神ヶ淵に臨む。 対岸に太刀見岩の見える山間の佳境に鎮座する。旧村社。 『延喜式』神名帳の吉野郡「伊波多神社」にあてられるが、祭神は不明。創建年代も不詳。 古来立和宮(たちわみや)とも呼ばれたが、立ち岩がなまってタチワとなったという。 当社から約300メートル離れた山腹に約4メートル四方の高座石があり、昔はここに社が あったと伝えられる。本殿方1.5M、境内711坪。『大和志』には「在天川荘和田村今称立和宮 与栃尾九尾共預祭祀」とあり。 ― 『寺院神社大辞典』より― |
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愛嬌のある顔をした狛犬 | 扁 額 | 手水舎・水盤 |
『吉野郡史料』下巻「天川村史」、神社の項には以下のようにみえる。 | ||||
「伊波多神社ハ和田ニアリ祭神不詳光仁天皇宝亀元年(770)正月二十日創建建治元年(1275)改造延宝二年(1674)改造明治二十三年又改造ス」とある。 ( )内西暦年号は筆者注 |
天川村 天河神社 てんかわ
祭 神 : 市杵島姫命、熊野坐大神、吉野坐大神
鎮座地:奈良県吉野郡天川村坪内
本殿、手前が能舞台 | 本殿への上り階段横の摂社・末社 | 栃尾橋から見る清流天ノ川 |
●天河神社は、現在正式名称として「大峯本宮天河大辨財天社」と称している。ちなみに、『吉野郡史料』に次の記事がみえる。 「役小角行道修行の節熊野山ヨリ大峰山ヲ踏分シヽ事ヲ当社に祈願シ一千日祈願シヽ辨財天女并ニ十五童子の霊像ヲ安置シ是ヨリ世ニ天河辨財天ト稱セリ」 |
●関連頁:天川弁財天社 「真朱の姫神」・現代編三、天ノ川:参照リンク●
天川村 八坂神社 や さ か
祭 神: 素盞嗚尊
鎮座地:奈良県吉野郡天川村南日裏
本 殿 | 境内入口 | |||
●この八坂神社は、もと牛頭神社と呼ばれていたらしい。『吉野郡史料』に以下の記事がある。
「牛頭神社ハ南日裏ニアリ祭神ヲ素盞嗚尊トス建設年月由緒不詳」
かみがみのましますもり 続・神々の坐す杜 1.平成19年10月15日掲出