神々の坐す杜 |
江文神社は、大原郷八ヶ村の惣鎮守社だそうだ。 その御旅所は、高野川に架かる花尻橋のたもと花尻の森にある。花尻橋は、現在の地名では八瀬花尻町から大原戸寺町に架かった橋である。 この御旅所は藪椿が群生していて、春の落ち椿の名所としても知られる。また、「乙が森・おつう伝説」もこの辺りではよく知られた昔話しらしい。 そのおつうが身投げしたと伝わる女郎淵が、花尻橋の架かる辺りの大原川(高野川)だという。 |
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江文神社石碑と花尻の森説明看板 | 御旅所社殿 |
御旅所境内入口 |
「おつう伝説」とは むかし昔、大原の里におつうという娘が住んでおりました。 ある日上洛の若狭の殿さまの目にふれ、おつうは玉の輿、殿さまの国元に召されたのです。 それはそれは夢ごごちの毎日を過ごしていたのですが、やがて、おつうが病にかかると殿さまの心も変わって、おつうは戻されてしまったのです。おつうは悲しみのあまり大原川の女郎淵に身を投じました。 するとたちまち、その美しい姿は大蛇に変わりました。 そしてある日、都入りする殿さまの行列が大原の花尻橋を通りかかったところを襲ったのです。 暴れ狂う大蛇は家来によって一刀のもとに切り捨てられましたが、その夜から激しい雷雨や悲鳴に見舞われました。恐れおののいた里人たちは、大蛇の頭をおつうが森に埋め、尻尾を花尻の森に埋めて霊を鎮めました。今でも、大原の里にかかる朝もやは大蛇の姿に棚引いていますし、 花尻の森ではおつうの鎮魂の行事が残っています。 大原観光保勝会の説明看板より(ママ) |
かみがみのましますもり 神々の坐す杜 99. 平成27年11月15日掲出 戻る