かみがみのましますもり  神々の坐す杜  平成14年4月30日


大和国宇陀郡 宇太水分神社(古市場)
奈良県宇陀郡兎田野町古市場245 
(うだみくまりじんじゃ) 式内大社 
 @ 「延喜式」神名帳の宇陀郡「宇太水分神社」に比定される。
大和国四水分の一。
「三代実録」によれば、貞観元年(859)九月八日風雨祈願のため幣を奉ったとある。
芳野川に沿って「芳野」、「古市場」、「下井足」と三所三座に祀られ、五穀豊穣の農耕神として、崇敬されている。 

祭 神:第一殿/天水分神(あめのみくまりのかみ)
     第二殿/速秋津彦神(はやあきつひこのかみ)
     第三殿/国水分神(くにのみくまりのかみ)
摂社・末社
    春日神社、宗像神社、恵比須神社、金刀比羅神社
例 祭:十月二十一日



●写真説明

@本 殿:一間社春日造・檜皮葺で三殿から成る本社殿。
      鎌倉様式の傑作、三殿とも国宝。
      摂・末社の春日神社、宗像神社は国指定重要文化財。

A手水舎:手水社の注水口は、珍しいカエル。(大抵は龍だが、住吉大社はウサギ)

B二の鳥居:芳野川に架かった橋の袂の一の鳥居からから、参道は拝殿に向かって真っ直ぐに続く。
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大和国宇陀郡 宇太水分神社(下井足) (奈良県宇陀郡榛原町下井足635)
 C 近鉄大阪線・榛原駅南へ徒歩約10分、芳野川沿いの舟形山に鎮座する。

祭 神:天水分神
     天児屋根命
     品陀別命
末 社:石神神社、稲荷神社、金刀羅神社


例 祭:十月二十一日〜27日までの日曜日

当水分神社の創祀年代は詳らかにし難いが、所伝によれば崇神天皇十五年九月二十一日勅祭云々とされている。
「三代実録」によれば、「貞観元年(859)風雨祈願に勅使を遣わし幣を奉った」とあり、「延喜式」神名帳に宇陀郡十七座のうち大社一座とせられる等、由緒ある神社である。
当社保存の「水分宮由来集」や「神体形相記」等の処伝によれば、中世において幾多の消長を経ていることを伝えているが、この水分神社は風雨祈願、五穀豊穣の御神徳の高い農耕神として、この芳野川に沿って「上社(芳野)」、中社(古市場)」、下社(下井足)」と三所三座に祀って地域ごとに御神徳を敬仰し、人々の心のよりどころとして、生活にいそしみ今日に至っている。
明治のはじめ頃までは、本殿をはじめ付属の建物はすべて春日造であったが、明治十一年県社の指定を受け、現在の神明造になっている。 (由緒略記より)
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 F 写真説明

C本殿、手前の小さな社は稲荷神社

D拝殿正面と拝殿前広場。右に手水舎がある。

E拝殿に続く参道。周りは鬱蒼とした木々に囲まれている。

F白木の簡素な鳥居が小高い境内入り口にたたずむ。

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