箱根に みどりの雨が降る

成川美術館よりの眺望、湖上に箱根神社の鳥居が見える


箱根神社は、延喜式神名帳にその名は見えないが、
古来より山岳信仰の霊地であったとみられ、駒ケ岳から神山(1,438m)を神体山として遥拝していたという。
奈良時代に神託により、里宮として社殿を建立して「箱根三所権現」と称されたのが現在地に鎮座する箱根神社である。
 現在は、駒ケ岳の頂上に箱根神社の元宮が鎮座しているが、これは昭和39年に堤康二郎氏の寄附により再建されたものである。
元宮へは、箱根園からロープーウェイ約7分で駒ケ岳山頂(1,357m)に着き、そこから参拝できる。
頂上からの景色は抜群で、芦ノ湖が見渡せ、西には富士山が間近に見える。
(参拝当日はモヤがかかり、どこからも富士山は見えなかった)

水上鳥居からの参道 社 殿 (正面に拝殿、その奥が本殿) 老杉並木の上が社殿

箱根神社
祭  神 : 箱根大神/瓊瓊杵尊・彦火火出見尊・木花咲耶姫命

鎮座地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80

 箱根神社は、古来、関東総鎮守箱根大権現と尊崇されてきた名社で、「交通安全・心願成就・開運厄除」に御神徳の高い運開きの神様として信仰されています。
当神社は、人皇第五代孝昭天皇の御代(2,400年前)聖占上人が箱根山の駒ケ岳より、主峰の神山を神体山としてお祀りされて以来、関東における山岳信仰の一大霊場でありました。
奈良朝の初期(1,200年前)万巻上人は、御神託により現在の地に里宮を建て、箱根三所権現と称え奉り、仏教とりわけ修験道と習合しました。
平安朝初期、箱根路が開通しますと、往来の旅人は道中安全を祈願しました。
鎌倉期、源頼朝は深く当神社を信仰し、二所詣(当社と伊豆山権現参詣)の風儀を生み、執権北条氏や戦国武将の徳川家康等、武家による崇敬の篤いお社として栄えてきました。
 近世、官道としての東海道が整備され、箱根宿や関所が設けられますと、東西交通の要(道中安全の守護神)として当神社の崇敬は益益盛んになり、庶民信仰の聖地と変貌しました。
こうして天下の険、箱根山を駕籠で往来する時代からやがて車社会に変わる近代日本へと移行しますが、その明治の初年には神仏分離により関東総鎮守箱根大権現は、箱根神社と改称されました。                                    ―境内由緒看板より―


水上鳥居 芦ノ湖・元箱根港前の大鳥居 背後は駒ケ岳、神山

この大鳥居のすぐ右手、岡の上には成川美術館、旧街道石畳。
湖岸に沿って少し南に下がると、ポーラ美術館、箱根関所・資料館、箱根杉並木など、
見どころが目白押しにある。また、芦ノ湖ではフィッシングも楽しめる。

海賊船の向うに見える 箱根神社の水上鳥居

芦ノ湖は、神奈川県内最大の湖で、箱根山の火口原湖である。
湖面の標高は725メートル、最大水深43メートルで、冬季でも氷が張ることはない。
釣り場としても有名で、ニジマスやサクラバス、ブラウン・トラウトなどが放流されている。
遊覧船は、小田急グループの「海賊船」と西部グループの「双胴船」などが運行。
500〜600人の観光客が一度に乗船できる。



     かみがみのましますもり 続・神々の坐す杜 40.平成20年5月7日掲出    
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