宇 陀 宇賀神社 う か

祭 神:宇迦斯神魂
鎮座地:奈良県宇陀市菟田野区宇賀志

古事記によれば神武天皇東征の途上、神武らが吉野から宇陀に入ると、まつろわぬ土人の首領兄宇迦斯が、神武一行に仕掛けをして騙まし討ちにしようとする。しかし弟宇迦斯の密告で策略を知った神武側は、兄宇迦斯を返り討ちにしてしまう。
当社の祭神はこの時に誅殺されたエウカシを祀ったものか、或いは宇迦斯一族の租神を祀ったものかの何れかであろう。
記紀では荒ぶる異族、服従帰属しない「まつろわぬ民」、化外の蛮族として書かれているが、他国の軍隊が攻め込んでくれば、自分達の生活や一族を守るため戦おうとするのは当たり前である。
記紀は勝者側の歴史書であるので、こうした書き方もまた当然と言えばその通りではある。
本  殿
▲こもうけ石(手水用のつくばい) 境内入口の真新しい鳥居越しに見える 拝  殿

「つくばい」は陰陽石となっていて下からの支えが“陽”、上の鉢石が“陰”。 撫でると子宝が授かるという。

旧『宇陀野町史』には以下のように記されている。
宇賀神社
エナタ川の宇賀志川に合流するところで、血原橋を渡って北方の杜に鎮座する。
この辺りは、神武天皇が八咫烏の先導による宇陀の穿ちの邑で宇賀志(宇迦斯)の地名の起こったところと云われる。当社はこの宇迦斯神魂を祭ったところで旧村社である。
本殿は春日造、トタン葺きで、桧皮葺の神門を設け石玉垣をめぐらす。本殿はもと鳥居を入ってすぐ向かって右にあったもので、今にその土壇や石造の手水鉢も旧位置に残っている。拝殿は桧皮葺で本殿の前方にある。―以下略  
※但し上記記述の後、全面的に改造・改築されて現在に至っている。


かみがみのましますもり  続・神々の坐す杜  29.平成19年12月07日掲出


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