阿射加神社
伊勢国壹志郡阿耶訶郷 式内名神大社

神社名:あざかじんじゃ
祭  神:阿耶訶大神
所在地:三重県松阪市小阿坂町120

東向きの社殿 本殿正面・三殿並立 本殿右の摂社は南向き


延喜式神名帳の伊勢国壹志郡阿射加神三座に比定。
祭神の阿耶訶大神とは猿田彦神、伊豆速布留神、竜天大神の三神で、主祭神の猿田彦神は伊勢国の国津神であり
この神をお祭りる神社では最も由緒ある神社といわれる。
祭神については、猿田彦大神の三つの御魂で、底度久御魂、都夫多都御魂、阿和佐久御魂という説もある。
松阪市教育委員会が立てた説明看板には次のようにある。
阿射加神社は、平安時代初期には県内でも数少ない延喜式内大社格に列せられた古社で、猿田彦命を祭る。
現在境内で、毎年一月十四日夜に行われる御火試(おんひだめし)、粥試(かゆだめし)神事及び小阿坂のかんこ踊りが
松阪市民俗文化財に指定されている。

ご神木は杉の大木で全てが対になり、五対ほどが社殿前で整列しているように屹立。
朱色の幟には、七福即生 松阪霊地七福神 寿老神と白抜きされていた。

●写真は小阿坂の杜●
この写真手前の県道58号線参道入り口右側には、「猿田彦大神」の石碑が立っており、そこから神社に向かってまっすぐ西に延びる参道。
この社叢は、スダジイ、ヤマモガシ、ミミズバイ、サカキ、タブノキなどの常緑照葉樹が繁茂し、
伊勢平野丘陵部のかつての自然をうかがい知る貴重な植生として、松阪市の天然記念物にも指定されている。(松阪市教育委員会)



●阿射加神と神階●

「日本三代実録」巻第九 (清和天皇 貞観八年『866年』)に次の記事がみえる
十一月四日乙巳。大和國正四位下波寳神。波比賣神。伊勢國従四位上阿射加神並授従三位。
この記事は伊勢の阿射加神社と、吉野の波宝神社・波比売神社に、同日付で神階従三位が下賜された事を示す記事である。
この時点での「従三位」の神階は相当高位である。三神社の間にどのような関連があるのだろうか。
この手がかりを求めて参拝したものの、小阿坂・大阿坂両神社とも宮司さんは居られず
何の手掛かりも得られなかった。図書館に行って「松阪市史」を見る時間も残念ながらなかった。
考えられるのは同じ中央構造線上に鎮座する神社という位しか共通点は見出せない。

同日同神階拝受はただの偶然だろうか? / 平成14年六月. マルヤ




阿射加神社
[大阿坂町]

神社名:あざかじんじゃ
祭  神:阿耶訶大神
所在地:三重県松阪市大阿坂町670

●由緒・祭神などは小阿坂の阿射加神社に同じか
社殿は小阿坂の社と全く同様の形式だが、
当社の本殿は一棟のみ。
この社にも小阿坂と同様、拝殿らしき建物は
無く、不思議なことに何処にも、お賽銭箱が
見当たらない。



社殿の向かって右側には、
かなり大きな池がある。
灌漑用の溜池か。

大阿坂のこの社は、北東向きに配置されおり、たいてい逆光になる。
南西方向に続く長い参道は、鬱蒼とした樹木に覆われて殆んど日が差さず、
ほの暗い静寂さが漂う。正面の建物は拝殿ではない。神器蔵かと思われ、
この奥には本殿前の広庭がある。

    ●写真は大阿坂の杜
●左写真は北東正面の鳥居
(鳥居下の小さな箱が唯一の賽銭箱)

●何れの神社も伊勢自動車道
松阪ICから車で10分位。

いずれも神社由緒、教育委員会説明看板など参照



かみがみのましますもり  神々の坐す杜 22.  平成14年6月6日

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