神々の坐す杜


和泉長滝 
蟻通神社 ありとおし
和泉国日根郡
祭 神  大国主命
鎮座地:大阪府泉佐野市長滝814
JR阪和線・長滝駅下車徒歩12分


謡曲「蟻通」と蟻通神社

謡曲「蟻通」は平安前期の歌人・紀貫之の逸話から世阿弥が作成した。物語は貫之が旅の途中、日が暮れてにわかに大雨となり、馬も倒れた。そこに老人が現れ「蟻通明神の境内を下馬しないで通った罰だ」という。貫之は「ありとほし」を織り込んだ和歌を詠んで捧げると、老人は感心し、神楽を奏し、実は蟻通明神だと明かして姿を消す。馬は立ち上がり、貫之は旅を続けた。
蟻通の名の由来は、枕草子などにみえる、蟻の管玉説が有力だ。一方、当神社はかつて熊野街道の近くにあり、貴族らの熊野詣の様子が蟻の行列に見えたから、との説もある。
当神社は、第二次世界大戦時の陸軍飛行学校の建設のため現在地に移転を余儀なくされ、本殿、舞殿はじめ建築物は、長滝村の人々の努力により、現状通り移築し、貫之ゆかりの「冠の淵」も復元した。
近年は舞殿で薪能を開催している。能楽に所縁の深い神社である。

――謡曲史跡保存会の説明看板より

 
 
    本   殿


   
境内入口ー参道   神  門   舞殿(手前)と拝殿
 

かみがみのましますもり  神々の坐す杜 192.  平成30年4月27日掲出   戻る